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interview

「ふるきもの、あらたなるいのちをやどす」をテーマに、デザイナー・綺羅星きららが放つ和と洋のコラボレーション

 

果樹王国と呼ばれ、さくらんぼの生産量は日本一を誇っている山形県東根市。

その、JR東日本のさくらんぼ東根駅前にあるatelierきららより新ブランド「青猫(あをねこ)」が発表されました。

 

華やかな古布と現代的なワンピースやバッグのハーモニーが魅力的な作品は、すべて一点もの。

和と洋が絶妙にブレンドされているので単品でもokですが、トータルコーディネートするとお洒落感がアップしそうです。

今回は、ブランドを立ち上げた新進気鋭のデザイナー・綺羅星きららさんにインタビューを行いました。

 

−どうして和と洋を組み合わせた作品を作ろうと思ったのですか?

 

綺羅星きらら氏(以下きらら氏)「わたしの実家では、みんな和服を着ていて、わたし自身も子供の頃からお呼ばれの時は着物姿でしたので、和服について、あまり抵抗がなかったのだと思います。

もちろん外で遊ぶ時は洋服。でも改まった席では、それこそ和服が当たり前というような。

また、若い頃からJean Paul Gaultierのデザインが好きで、そのデザイン的なフリーな思考と、和装の伝統に基づいた思考の組み合わせを結び付けたくて、最終的にこのスタイルになりました。

和柄の華やかな多色遣いを全面に出さずに、ポイントとして黒や赤などのシンプルな色や形のアイテムにワンポイントとして紛れ込ませることで、より華やかさを演出するという手法を使っています。

東北は、東京とは違って服装で個性を表現する風潮があまりないんです。

「派手な服は着れない」とか「若づくりしてると思われる」「人と違う服はいやだ」とか。全然そんなことを気にする必要なんてないのに。でも、確かにはじめの一歩を踏み出すには度胸がいるのかもしれません。そこで和柄をポイントとした使い方をしました。

 

−Jean Paul Gaultier以外にも影響されたブランドはありますか?

 

きらら氏「Vivienne Westwood も好きですね。昔は仙台市でお店をやっていましたし、今もブルーマックアンドレアスやマックマラタータンチェックを使った作品も製作しています。先日は幼稚園の卒園式に親子でお揃いのスーツのオーダーがありました。こちらの提案でお母さんの方はラブジャケットにして、息子さんの方はセーラーカラーのトップスにして、とても素敵でしたよ」

 

−それは素敵ですね。ブランド名にお聞きしたいのですが。どうして青猫という名前にしたのですか?

 

きらら氏「高貴な色としての青と、猫が好きなので「いつかはこの名前を」と思っていました。この名前をつけてから知ったのですが、詩人の萩原朔太郎氏の「青猫」にて「都会の空に映る電線の靑白いスパークを、大きな靑猫のイメーヂに見てゐる」ということで、パッと明るい古布のさし色とリンクしていると思いました」

 

−今後の展開としてはどのようなものを企画しているのでしょうか?

 

きらら氏「基本的にこのブランドは一点一点のハンドメイド作品ですので、とにかく製造ラインが見えてこない。でも年内にはお披露目会を兼ねたファッションショーを企画中です。

これはブランドコンセプトというより私のポリシーのようなものなのですが、これらの作品は老若男女問わずお洒落をするためのアイテムなので、いろんな方にモデルとして参加していただきたいなぁと思っています。

また、このブランドとは真逆の性格の、オーガニックをテーマにしたブランドも企画中です」

 

−ファッションショーに別ブランドですか、それはとても楽しみですね。

 

きらら氏「はい。毎日ワクワクしています。わたしが生まれ育った東根市を少しでも有名にできるよう頑張っていきたいと思っております」

 

−頑張ってください。応援しています。本日はありがとうございました。

 

きらら氏「ありがとうございました」

 

インタビュアー/森野たけ実

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designer

略歴

デザイナーの綺羅星きらら氏はオリジナルブランドTwinkleLittlePlanetにて

東京の有名バンドやコスプレイヤーの衣装、パンク系のアイテムなど多様な製品を開発。

ウエディングプランナーより「マタニティ用のドレスのバリエーションがあまりない」という相談されたことをきっかけに「好きなものを好きなときに好きなように」をテーマとしたオーダーメードドレスショップatelier serendipityをオープン。

その後もバッグのブランドの立ち上げに参加してキャリアを積み重ね、2020年メインの工房となるアトリエきららを立ち上げ、現在に至っている。

 

近年は和服と洋服のコラボレーションに注目し、親子3代続いた着物職人の技を作品に織り込んだ。

新しい中にどこか懐かしさを加えたデザインで、世代や着る人のライフスタイルに違和感なく溶け込むことを意識したという。

「お洒落は、お洒落したいというその人の気持ちの中にあります」(綺羅星きらら氏インタビューより)

似合うものではなく、着たいものをチョイスするお手伝いと、誰もが憧れる服を提供し続けることがアトリエきららの役目だと語っていた。

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